脳卒中でも旅をあきらめない

楽しく気ままに進もう

海外旅行デビュー「グアム」

初めての海外旅行は新婚旅行で訪れたグアムだった。乗り物が嫌いな妻(酔い止め飲んでも効き目がない)を何度も諦めず説得して、飛行機とホテルを手配して成田空港から二人で順調に入国手続きを終えてグアムの空港で予約したホテルに電話をして迎えに来てもらうつもりだった。しかし、ホテルに電話したら「申し訳ありませんが、お客様が宿泊する予定だったお部屋が手違いで埋まってしまいました。」いや、それはマズイだろ。俺たちはどうしたら良いんだ?こっちは気が乗らない妻をやっと説得してここまで来たんだよ。「頼むから何とかして、では日本語を話せるスタッフを空港に向かわせるのでお待ちください。」30分ほど待つと黄色いエスティマに乗った日本人がやってきた。「本日は当ホテルはお部屋をご用意できなので一泊だけコンドミニアムに泊まってもらいます。これからご案内します。」まぁいいか、この人に文句を言ってもつまらないので、従う事にした。妻は不満そうにエスティマに乗り込んだが、30分程度走ったら海沿いのコテージ風の一軒家の前に停車した。そこで鍵を渡され今日はここで泊まってくれと言われた。部屋には入ると悪くない、僕はホテルなんかより良いかも、と思ってしまった。妻はエスティマで車酔いしてとても不機嫌だった。どういう訳か僕以外の人が運転した車には一発で酔ってしまうらしい。

さて、食材調達しなきゃ、ここには何も食べるものは無い、立派なキッチンはあるけど。徒歩で行ける範囲にはスーパーは見当たらない。困ったな。何とか挽回しなきゃ。

周辺を散策してみたら、レンタカー屋があったので、ダメ元で行ってみた。国際免許など持っていない。日本の運転免許証を握りしめて事務所にいくと簡単な交通ルールのレクチャーを受ければ日本の免許でも運転できる事が判明した。借ります、と言うとどの車が良い?と駐車場に連れて行かれた。新型マスタングがあったのでこれ、言った。OK!どの車も値段は一緒だよ。やった〜お願いします。返却はガソリン満タンですか?はい、そうです。

ところでガソリンスタンドはどの様な仕組みなのでしょうか?基本セルフですね。

そうですか・・・何とかなるよね、きっと。生まれて初めて左ハンドルの車を運転した。しかも右側走行だし。当時はスマホどころか携帯電話も無い時代だ。度胸のみで乗り越えるしかない。コテージの駐車場にマスタングを止めると、妻を乗せてスーパーマーケットを探してドライブだ。大きな道路を走るとすぐにスーパーは見つかった。歩いて来れる距離ではなかったが、車があれば問題ない立地だ。ワハハ、何だか楽しくなってきた。これぞ冒険だ、旅だ。このアクシデントで気乗りしなかった妻の気分が上げる事になった。食材を買い込みコテージ戻り簡単な食事を取りながら、この旅行のプランを練り直しした。車があれば何処へでもいけるじゃん。持参したガイドブックに付属していた地図を記憶してとりあえずグアム島を一周してみることにした。道路に時折出てくる案内標識を頼りにスタート。交差点では右左折する度に左車線を走行しそうになるが、徐々に慣れてきた。Two Lovers Pointの標識が「恋人岬」だよね、新婚旅行なのだからここは行かないとね。しかし、駐車場が狭く空いてない。車窓から見ただけで良いよね?海岸沿いに車を止めて砂浜で休んだり、間違って米軍基地に入ってしまったり。バーガーショップででっかいハンバーガー食べたり。楽しいね。

妻の機嫌は悪くなかった。のんびり過ごそう、帰りの飛行機に間に合えばそれで良いじゃん。